呼吸と血流 医学的根拠

2020年1月31日

深く長い呼吸をすることは源気功の基本ですが、これには医学的な根拠があるのでお伝えします。

血流は健康の基本です。三大栄養素(糖、脂質、タンパク質)は血液によって各細胞に送られますし、酸素も自分で勝手に細胞まで動ける訳ではなく血液のヘモグロビンと結合することで全身に運ばれます。この血流を良くするのが長い腹式呼吸です。

人は、幸せで安心した気持ちになった時、自然に呼吸が長くなります。安心すると脳が指令を出して、副交感神経を優位にし、緊張を取ってくれますので、筋肉が緩み、血管も膨らんで血流が良くなります。ほっとした時は思わず「あーー」と息を吐きますね。源気功では、これを逆手に取って、ホッとしていなくても、呼吸を長くし、「あー良かった」ということで、脳に安心していると思わせてしまいます。その結果、血流が良くなるというのが一番目の理由です。

二番目の理由は、深呼吸には血液サラサラ効果があるということです。腹式呼吸を行うと、肺胞でプロスタグランジンI2というホルモンが作られます。これが血中に出て来て血液をサラサラにする効果を持っていると医学書に書かれています。プロスタグランジンI2という物質は脳梗塞や心筋梗塞の特効薬として点滴に入れられているそうです。血圧を下げ、動脈硬化を防いでくれる血液サラサラ薬を自分でお金を使わずに自力で作り出すことが出来るのですから、深呼吸はすごいものです。

三番目に、深く長い呼吸は酸素を全身の細胞に送り届ける効果があります。この効果は今まで観念的に説かれてはいましたが、医学的な根拠があることを私は最近初めて知りました。酸素は人が生きるために一番必要なものです。酸素がなくては、細胞は死滅します。一方、酸素がなくても生きられる「嫌気細胞」というものがあり、これが癌細胞です。癌は酸素を嫌います。脳内革命の著者として有名な春山茂雄先生は、癌になるメカニズムとして、「先祖返り」の理論を提唱しておられます。太古の地球に酸素がなかった時代の生物の記憶が人体の細胞にも残っていて、ストレスなどで血流が悪化して酸素が来なくなった細胞は生き残るために癌に変化するという理論です。癌は酸素が豊富にある所では生きられないので、酸素をたっぷり送り届ければ癌にならないことになります。しかし、酸素ボンベで過剰な酸素を取り入れてしまうと活性酸素を生み、健康な細胞を傷つけてしまいます。したがって、穏やかな有酸素運動で自然に酸素を取り入れるのが良いとされます。そして、取り入れた酸素を全身に行き渡らせるのに必要なのが長く吐く呼吸です。

人体内ではコンスタントに炭酸ガスが作られています。息を吐くことでこれは排出されますので、息を止めるか、吐く息を長くすると排出が制限されて体内に炭酸ガスがたまります。するとどうなるか。酸素は血液のヘモグロビンと結びついて全身に送られますが、ヘモグロビンは炭酸ガスを好むため、炭酸ガスに出会うと炭酸ガスと結びつくために、さっさと酸素を手放すのだそうです。これにより酸素が全身に行き渡ることになります。これが、長い呼吸が血流を良くする三番目の理由です。

やり方としては、たっぷり吸って酸素を取り入れたら、丹田に意識を置いて息を止めます。丹田に気がたまると息を長く吐くことが出来るようになります。長く息を吐き、息を止めます。胸式呼吸では決して長く息を吐くことはできません。腹式でないといけません。それも丹田を使った丹田呼吸をすることで長い呼吸が可能になります。

現代の医学知識がなかった古代のインドや中国で、深い呼吸法というものを生み出されたことを思うと、不思議でなりません。長く息して、長生きしようではありませんか。